虐待サバイバー コマクサの憂鬱

虐待サバイバーの回復への道

母の叱責

親には、話せなかった。

話せば、怒られるのは私の方だと思っていた。

 

それは一年近く続いたけれど

その中で暑い夏の日もあった。

 

 

ある夏の日、私は昼寝をしていた。

あまりに暑かったので、タオルケットも蹴飛ばして

あられもない格好で寝ていたのだと思う。

 

急に、母親に起こされた。

母は興奮したように、何かを喚いた。

 

最初、なにを言っているのかわからなかったが

どうも、兄が私の寝姿を見て自慰をしていき

その後始末のティッシュが転がっていたらしい。

これが何かをお母さんは知っている、

男の人が出すものだ。

お前はお兄ちゃんとそんな関係になっているのか、

というようなことを詰問しているようだった。

 

私があまりにも??の顔をしていたので

母は私が何も知らない内の出来事だと

判断したようだった。

それでも、最後に、

 

「お前がそんなふしだらな格好で寝ているから」

 

と、私を叱った。

 

 

後で、父と母が来て、私の部屋に

内から掛けられる鍵を付けていったけれど

その事で兄が叱られたかどうかを私は知らない。

 

ただ、やっぱり怒られるのは私の方だ、

と、強く思った。

 

私がいけないんだ。

私のせいなんだ。

そして、親や他の大人も、何が起きているか知ったら

叱られるのは私の方なんだ。

 

その思いを強くした。

 

 

私は、それを誰にも相談することが出来なくなった。