両親は私の部屋に内鍵をつけて安心していたけれど
それは、あまり役には立たなかった。
何故なら、夏の暑い日、
エアコンもない部屋では、
窓を閉め切って寝ることが出来なかったからだった。
ふた部屋繋がっているベランダを通って
開けた窓から兄は入ってきた。
私は、混乱していた。
兄が来るのが怖いのか、
兄が来るのを待っているのか、
自分でよくわからなくなっていた。
触られば、身体の反応として気持ち良さを感じる。
兄のことは大好きなまま。
私は、まるで自分から兄を誘っているような
気持ちさえした。
最後まで行くのは怖い。
だから途中で逃げ出すけれど
私は兄との行為を本当に嫌だと思ってるのか?
それがわからなくなった。
母にも、私の方が悪いと言われた。
この混乱は、長く続いた。
それが終わって、大人になっても、
私が悪い、私も感じていたから。
私が無意識のうちに誘ったのかも。
そう思っていた。
自分は汚れている。
私は、長いこと、そう思っていた。