母は、本当に私のことを認めなかった。
私が本好きで、毎日毎日本を読むのも、
友達のお母さんは、
「コマクサちゃんは読書が好きで偉いわね。
うちの子にも本を読んでほしいわぁ。
どうしたら本好きになるのか、教えて?」
と言ってくれたけれど、
私の母は、
「お前が本を読み始めると、
何度呼んでも聞こえなくなるから、嫌だ」
と言った。
テスト前に徹夜で勉強をしていることも、
近所のお母さんには、
「コマクサちゃんの部屋の灯りは
夜中までずっと点いてて。
勉強してるの?
偉いわねぇ」
と言ってくれたけれど、
母は、そんなに遅くまで起きているの、
と、不機嫌そうに言うだけだった。
母に認めてもらえず、
父にも叱られ、
これからどうすればいいのか、
本当に途方に暮れていた。