「うたの日」でお題で「どんぐり」が出てきて、この本のことを思い出した。私の中で「どんぐり」と言う時はいつもこの本のことが頭の中にある。
だから、Amazonでのレビュアー名は「どんぐり」にした。
ヒルマンの「魂のコード」。
鏡リュウジ訳。
持ってた本はとっくに手放していたから、もう一度Amazonで古本を買って読み始めた(余談だけど、最近の“古本”はどれも綺麗でびっくりする)。
私の魂の道は、どうやら短歌に向かっていたようだ。
旧Twitterの短歌クラスタ内には、何人も虐待を受けた人がいる。ある人は私と同じように手帳を持っているし、ある人は統合失調症。
ある人は虐待をテーマに書いた連作で、結社の新人賞を取っていた。
「魂のコード」では、トラウマになる出来事さえも、その運命を進むために起こるらしい。すべての出来事を包含しながら道は進む。
先代には、私には言葉数の短い詩型の方が合う、と言われた。
ながーい手紙を何度ももらったけどな、と、笑いながら。
「文字でしか解放されない心があるんだろう。
一人で、やれ」
と言われた。
先日もう一度、一人でやってるか? と聞かれた。
先代にはときどき短歌を送る。
・墨染の衣の君が隠し持つ燃える炎をあくがれて見る
・墨染の衣の君がやわらかく微笑んでいて救われし、我
・しんとした寺の本堂入る時心の中の海が凪いでく
そんな風な歌。