虐待サバイバー コマクサの憂鬱

虐待サバイバーの回復への道

2022-03-01から1ヶ月間の記事一覧

私が悪いのか?

両親は私の部屋に内鍵をつけて安心していたけれど それは、あまり役には立たなかった。 何故なら、夏の暑い日、 エアコンもない部屋では、 窓を閉め切って寝ることが出来なかったからだった。 ふた部屋繋がっているベランダを通って 開けた窓から兄は入って…

母の叱責

親には、話せなかった。 話せば、怒られるのは私の方だと思っていた。 それは一年近く続いたけれど その中で暑い夏の日もあった。 ある夏の日、私は昼寝をしていた。 あまりに暑かったので、タオルケットも蹴飛ばして あられもない格好で寝ていたのだと思う…

性的虐待

それから、性的虐待が始まった。 夜中に兄が私の布団に入って来て触る。 パンツを脱がされ、局所を触られ、 あとはどんなことがあったか、 よく覚えていない。 最後まで行く前に、いつも逃げ出していた。 途中までは固まって寝たふりをするのだけれど 最後ま…

ベッドの足元の黒い影

プロレスごっこから暫くたったある夜、 二段ベッドの上の段に寝ている私の 足元に誰かが来た。 寝ぼけた頭で私は、 兄が何かいたずらを仕掛けにきたのかと思った。 その時、こちらも遊び心で 足をバタバタさせて撃退すればよかった、 と、後で何度も後悔した…

「ミステリという勿れ」で描かれた性的虐待

以下、ネタバレを含みます。 「ミステリという勿れ」最新話を観てない人は 気をつけてくださいね。 「ミステリという勿れ」第9話の最後で ライカが解離性同一障害だとわかった時 あ、これは性的虐待の話が出てくるな、 とわかった。 性的虐待を受けた子ども…

始まりは

その出来事の始まりは、ただの遊び。 それまでに何度も繰り返していた、 兄と二人のプロレスごっこだった。 場所は二階の、私と弟の部屋。 男の子のように育った私は 荒っぽい遊びも大好きだった。 大好きな兄の真似をして プラモデルも作ったし、ミニカー遊…

兄とのこと

弟が産まれてからは、 弟と両親で一家族を作っていて 私と兄はその周りを回る衛星のようだった。 兄の部屋と私の部屋は ベランダで繋がっていて、 ある日、そのベランダに二人で立って 夕暮れの空を見上げていたことがあった。 生まれ変わったら何になりたい…

お母さんの木

クラスの窓から、 校庭の向こう側にある大木が見えた。 私はその大木に 「お母さん」 と名前をつけて、 いつも呼びかけていた。 「お母さん、今日はこんなことがあったよ」 「お母さん、今日はいい一日だったよ」 毎日の報告と、 その時々の気持ちを語りかけ…

平和主義者

今、この状態で書くことに抵抗もありますが、 四十年前の話です。 当時、私は絶対戦争反対の平和主義者でした。 第二次世界大戦について興味を持って 「アンネの日記」も読んだし、 特攻や、原爆の悲劇に心をいため、 本土決戦を覚悟した日本政府の方針も 信…

ピンクのワンピース

私は、九州出身の父に似たのか 肌が色黒の方だった。 そして、顔立ちは、 小学校の新任の保険の先生に、 「あなた、俳優の松田優作にそっくり! 私、東京で看護婦をやっていた時、 松田優作さんの担当をやっていたから わかるの!」 と、興奮気味に声を掛け…

学校で得られた自己肯定感

先日、両親の私への対応は虐待だった、と オットと長女に訴えたとき、 長女は不思議そうに、 「でもママは活発な方だし、 なんなら出来る子だよね。 友達作るのも上手そうだし。 うつ病が長いのは知ってるけど そんなに自己肯定感を削がれていたの?」 と聞…

昨日の話 2

どうしてそんな、過去の虐待について 掘り起こし始めたの? とオットが聞くので 「障害年金を貰おうとしてるのが 後ろめたい、ということもあると思う」 と言った。 怠けてるだけで、本当は働けるんじゃないか。 働いていない主婦さんは、 なんのお金も年金…

昨日の話

昨日は長女とオットと、 焼き蟹をしながらワイワイと お酒を飲んでいた。 子ども時代の話になり、 私は両親から否定しかされなかったから 今も自分の軸が出来上がっていない、と言った。 オットと長女は、私から見て 自己肯定感の高い人なので、 他人からの…

教育虐待

父と母は、教育熱心だった。 たぶん、最初は、私たちの引っ越しが契機だったのだと思う。 千葉から茨城に引っ越した私たちは、 茨城での最初の授業に驚いた。 千葉ですでに習ったところだったのだ。 学習の進行速度がちょっと違ったのだと思う。 一度習った…

兄妹を取り合う両親

思えば、私たち兄妹は、 つねに両親に比べられて育ちました。 毎回、兄が贔屓されるというわけではなく、 両親の気分次第で、どちらかを 取り合うのです。 例えば、兄がテストで点数が良ければ、 「やっぱりお兄ちゃんは俺(私)似だ」 と、取り合うのです。 …