虐待サバイバー コマクサの憂鬱

虐待サバイバーの回復への道

「ミステリという勿れ」で描かれた性的虐待

以下、ネタバレを含みます。

「ミステリという勿れ」最新話を観てない人は

気をつけてくださいね。

 

 

「ミステリという勿れ」第9話の最後で

イカが解離性同一障害だとわかった時

あ、これは性的虐待の話が出てくるな、

とわかった。

 

性的虐待を受けた子どもは、思春期頃から

解離性障害を起こすことが多いことが

わかってきているからだ。

 

実際、ドラマでは第10話で、ライカの口から

自分は解離性同一障害で生まれた交代人格の

一人で、主人格の治療が進んでいるから

もうすぐ自分は統合されて消えるだろう、と

語られる。

 

性的虐待が描かれた彼女の追想シーンは

見てて心が痛んだ。

主人格の痛みの部分を背負った交代人格。

強くあらねば、感覚を麻痺させなければ、

感情を持たないようにしなければ

生き残れなかった「ライカ」が切なくて

苦しくなった。

 

 

私は、解離性障害は発症しなかった。

たぶん、いつも最後まで行かず逃げていたから。

行為の途中でも逃げたし、

それが終わった後はその記憶からも逃げた。

逃げることが出来ただけ、よかったのかもしれない。

 

離人症的な感覚は持つことがあったなぁ。

それは短い時間だったけれど

現実みがなくて世界から隔たっている感覚。

目の前の風景が映画でも見てるかのように

どこか別の世界の映像のように見える瞬間。

ストレスフルな生活が続くと、その感覚が出てきて、

あぁ、これはマズイと認知していた。

 

 

性的虐待は深刻な後遺症を残します。

多くの人にそれを知ってほしい。

人気ドラマでそれが描かれたこと、

それを描いた勇気に、賞賛を送りたい。