虐待サバイバー コマクサの憂鬱

虐待サバイバーの回復への道

ベッドの足元の黒い影

プロレスごっこから暫くたったある夜、

二段ベッドの上の段に寝ている私の

足元に誰かが来た。

 

寝ぼけた頭で私は、

兄が何かいたずらを仕掛けにきたのかと思った。

その時、こちらも遊び心で

足をバタバタさせて撃退すればよかった、

と、後で何度も後悔した。

が、私はなんだろう? と思いながら

ぼぉっとしていた。

 

 

兄はそろそろと足元に座り

私の布団に手を入れた。

ゆっくりと、そろそろと、

パジャマのズボンを下ろされた。

そのまま、手はパンツに伸びた。

 

私は固まったように、

ピクリとも動けずにいた。