思えば、私たち兄妹は、
つねに両親に比べられて育ちました。
毎回、兄が贔屓されるというわけではなく、
両親の気分次第で、どちらかを
取り合うのです。
例えば、兄がテストで点数が良ければ、
「やっぱりお兄ちゃんは俺(私)似だ」
と、取り合うのです。
私がなにか気に入ることをすると、
「姉ちゃんは俺(私)の遺伝子だ」
となります。
私は背が低かったので、
「身長が150㌢までしか伸びなかったら
私似だ」
と、身長150㌢の母はよく言っていました。
父は164㌢あったので、近所のお父さんの中では
背が高い方でした。
と言っても、今思えば、
広く世の中を見ればけして高身長というわけではなかった、
と今は思っています。
とにかく、毎日のようにどちらがお気に入りか
二人で取り合うのです。
両親にとっては言葉遊びだったのかもしれませんが
選んで貰えない時は、やっぱり傷つきました。
兄に勝ってもいい気持ちはしないし、
選ばれなければ、悲しい。
私は自分に子どもが出来たら、
子どもの前でどっちがいいとか
いらないとか、
比べるようなことは絶対にしまい、
と、心に誓ったのでした。