勉強をするのは、好きだった。
学校での評価は高い方だったし、
何より、やればやるだけ結果がついてきた。
何をやっても褒めない母親。
地雷がどこにあるかわからず、
急に激怒し始める父親。
何を頑張れば愛して貰えるのか分からない家庭より
努力すれば100点を貰える勉強の方が
目標も立てやすかったし、なにより達成感があった。
部活は吹奏楽部に入って、
担当したユーフォニアムという楽器に惚れ込み
毎日の練習が楽しかった。
中学二年生の時に友達と出掛けた、
ある高校の文化祭で衝撃を受けた。
何より吹奏楽部の演奏がレベルが違いすぎて
「この高校に入学したい!
そして吹奏楽部に入りたい!」
と強く思った。
それからは、より勉強に身が入った。
帰宅後と休日の勉強スケジュールを立てて
50分勉強したら10分休憩を入れる。
土日は、遊びや部活がない限り、
朝から家で勉強していた。
テスト期間前は、徹夜もするようになった。
少しのめり込みすぎていて、
たとえば部活から帰宅してきて、
家の近くまで来ているのに
友達のお喋りが終わらず
ただ時間が過ぎていってしまう時は、
自分の勉強スケジュールに間に合わなくなるので
内心、イラッとするほどだった。
成績はもちろん上がっていった。