私が小さい頃、両親はいつも激しい喧嘩をしていた。
母が私を妊娠中に、父がしたある事を、母は許せなかった。父を責め立てていた。何度も、何度も。
私はハラハラしながら見ていた。兄は慣れっこになっていて、どうせすぐ仲直りするよ、と、自室に戻っていた。
両親は離婚の話をし、どちらがどちらの子を連れて行くかを言い合った。母は兄を連れて行く、と言った。私は望まれていなかった。
いつも母が父を責めていた。
私にはそう見えた。
ある時、勇気を出して、二人の間に割って入った。
ママが悪い、パパは悪くない!
と叫んだ。
喧嘩は止んだ。
後々、父は私に助けられた、と、よく言った。
父と母の喧嘩の仲裁が出来た。私は単純に嬉しかった。