虐待サバイバー コマクサの憂鬱

虐待サバイバーの回復への道

母と兄からの、からかい

母は、口が悪い人だった。

ブラックユーモアというのでもない。

ユーモアの部分がないから。

 

でも、母的には

ブラックユーモアのつもりだったのかな。

 

 

私は肌の色が黒くてみっともない、

って、よく言われていた。

産まれた時は赤銅色の猿だった、って。

髪が天然パーマだったのも気に入らないようだった。

母は色白の少女のストレートの黒髪を

長く背中までのばして、

深窓の令嬢のように育てるのが夢だったのに、

と言っていた。

私は、産まれた瞬間に母の期待を裏切ったらしい。

 

本を読み出すと夢中になってしまって

外の音が耳に入らなくなる。

いきなり耳元で大声で名前を呼ばれて

ビクッとしたことが何度もある。

母は

「もう三度も呼んだのに。

本なんか読まなくていい」

と、怒っていた。

 

私が、涙もろいのも、からかいのターゲットだった。

家族でドラマを観ていて、泣けるシーンになると

兄と二人で、

「ほら、コマクサが泣くぞ、泣くぞ」

と、囃された。

何度もそう囃されたので

ドラマを観ていて泣きそうになると

家族に気づかれないように

そっぽを向くようになった。

 

兄と母にはタッグを組まれて

よく、からかわれた。

からかわれて怒ると、

私は足をダンダンと踏み鳴らして

涙を流したから

それもまたからかわれた。

 

普通に、「ブース、ブース」だったのかもしれないけれど

兄主導、母も乗っかる感じで

よくからかわれていた。