虐待サバイバー コマクサの憂鬱

虐待サバイバーの回復への道

コマクサのくせに偉そうに

私は、集団の中から外れて

一人ぼっちになってる人や、

困っている人が気になる性分だ。

 

幼稚園の頃、一緒に園庭で遊ばず、

教室の壁にじっと座っている二人の子がいた。

軽く知的障害があった子だと思うのだけど

とにかくいつも二人でボーっと座っていた。

その子たちが気になって気になって、

手を引いて園庭に誘い出していた。

 

そんな性分は変わらず、

今でも困っている人を見ると

声をかけずにはいられない。

仲間外れにあってる子に介入したことが

小学生の時と中学生の時と、二度ほどある。

 

小学生の時は3、4年生の頃だった。

「嘘つき」

と言われ、クラスで孤立していた女子がいた。

確かに彼女はたびたび、嘘をついた。

すぐにわかるような些細な嘘、

または見栄を張るような発言が

クラスから総スカンをくらっていた。

 

私は、彼女に近づき、交換日記を始めた。

彼女の気持ちを知るとともに

どういう行動が嫌われているのか伝えて

彼女の反省を促し、クラスに馴染めるように

そんな気持ちで始めたものだった。

 

今から考えれば小賢しいし、

上から目線で、何様? って行動だと思う。

だけど、その頃の私にとっては

100%善意からの行動だった。

 

 

その交換日記を兄貴が盗み見て、

「コマクサがこんなことを書いている!」

と、家族の前で読み上げ、

「コマクサのくせに、なに偉そうに言っちゃってるの」

と、からかい始めた。

 

母は、兄を嗜めるのではなく、

兄と一緒に私のことをからかい、笑った。

 

二人に日記を取り上げられ、

読み上げられ、笑われた。

私には、悔しく、悲しく、辛い出来事だった。